宮津カレー焼きそば
ソウルヌードル オブ 宮津 |
宮津カレー焼きそば |
巡って 食べて 驚いて 夏バテ撃退
夏の暑さのように、宮津市民の魂を熱く揺さぶるご当地グルメがある。「宮津カレー焼きそば」。市内のいろんなお店で提供しているが、その姿は千差万別。カレーなの?焼きそばなの?? ラーメンなの??? 巡って、食べて、不思議だらけの魅力を探ろう。
こののぼりが目印!
始まりはある中華そば屋から |
「宮津カレー焼きそば」は、ある1軒の中華そば屋が発祥という。昭和30年(1955)ごろ、宮津市の中心市街地に開店した「平和軒」。台湾出身の店主・王(ワン)さんが腕を振るう料理はどれも評判だった。中華そば、焼きめし、焼きそばといった定番が並ぶお品書きのひとつに「カレー焼きそば」があった。カレー風味の中華スープに焼きそばを浮かべたような形態だったようで、見慣れぬ料理に人々は虜になった。
連日にぎわっていた平和軒は平成初期に閉店。王さんも亡くなってしまった。幻となってしまったあの味をもう一度食べたい―。熱い思いに応えるように「カレー焼きそば」をメニューに掲げる店が、あちらこちらと増えていき、ご当地グルメとして知れ渡るようになった。
店の数だけ味がある、食べ歩く醍醐味 |
元祖の味は人の記憶にしかないこともあり、カレー焼きそばは、それぞれのお店で独自の発展を遂げた。平成27年(2015)に提供店で立ち上げた「宮津カレー焼きそば会」によると、定義は「カレーとそばが入っていること、具は炒めること…ぐらいかな」という。汁の量でウエット系、ドライ系などの分類はあるが、作り方や味付けは二つとして同じものはない。食べ歩いて味を比べるのが面白い。
現在、市街地を中心に11店舗が提供。「宮津カレー焼きそば」の旗を目印に巡ってみると、なぜか細い路地に佇むレトロな店が多く、名所観光ではわからないディープな宮津を知ることができる。
宮津カレー焼きそばの問い合わせは宮津商工会議所
TEL0772-22-5131
カフェ・レスト 絵梨奈 |
豚白湯スープのコクとうまみ
ウエット700円(ドライタイプもある)
焼きそばがカレースープに浸る、その姿に驚きつつ、一口すすると意外としっくり。なぜか懐かしくさえあり、箸が止まらない。お客さんからの要望でカレー焼きそばを始めたのは30年近く前。元祖の味を追い求めるうちに、現在の形にたどり着いた。
豚白湯スープに3種類のカレー粉を溶かし、コクとうまみをだしている。トッピングの福神漬けの甘さがアクセント。残ったスープはご飯を入れて、リゾット風に平らげるのがツウの楽しみ方。スープの少ないドライタイプもある。
「宮津カレー焼きそば会」会長でもある店主の家城総明さんと奥様の真弓さん
昭和54年(1979)開店。すっかり町に溶け込んでいる
宮津市万年1015-1
TEL0772-22-2727
〈営〉10:00~24:00
〈休〉第2・4日曜日
〈P〉あり
酒房 たむら |
お酒とよく合うドライ系
600円
2代目の森口さん夫婦、お姉さんの3人で切り盛りしている 一見、普通の焼きそばのようだが、漂う香りはスパイシー。カレー粉とソースが両方引き立つようにバランスよく細めの麺に絡ませている。「日本酒が隠し味でね」と店主の森口静香さん。居酒屋らしくビールによく合う味に仕上げた。みんなで分け合って食べても楽しいし、カウンターで静かに飲みながら、つまむのもオツ。店は大正時代創業の老舗らしい落ち着く雰囲気。実は、昼から営業しているので、ランチに立ち寄ることもできる。
2代目の森口さん夫婦、お姉さんの3人で切り盛りしている
宮津市新浜1983
TEL0772-22-3129
〈営〉11:00~23:30
〈休〉火曜日
Pあり、またはパーキングはままち(5時間無料)利用(徒歩2分)
HAMAKAZE Cafe |
魚介たっぷり 甘辛こってり
1180円
若いシェフの感性が、宮津カレー焼きそばの新境地を切り開いた一皿。豪快に乗っているのは、隣の魚屋さんから仕入れた宮津湾の新鮮魚介。大ぶりのハマグリやアサリ、エビのほか、今の時期は白イカなどが入る。カレーソースは甘辛のコッテリ系。太麺で食べごたえ十分なのに、飽きることなくペロリといける。白ご飯をぜひ一緒に味わいたいと追加注文する人も多いとか。ランチタイムはサラダとドリンクが付く。
宮津市浜町3008 道の駅「海の京都宮津」おさかなキッチンみやづ内
TEL0772-25-1080
〈営〉10:00~23:00(L.O.22:30)
※火曜日は17:00まで
(ランチ)11:00~15:00、
(バータイム)17:00~
〈休〉無し
〈P〉道の駅駐車場(無料)、またはパーキングはままち(5時間無料)利用
藤木食堂 |
麺を優しく包むとろみスープ
650円
厨房から麺を湯切りする軽快な音が聞こえたら、カレー焼きそばの準備中。お玉1杯の中華スープにカレー粉を溶かし、片栗粉でとろみをつけたら麺を投入。少しなじませて出来上がり。昭和25年(1950)創業の2代目店主・藤木丈一さんは、元祖の味を知っているが、目指したのはあくまで「藤木食堂」の味だった。SNSで評判を聞き、埼玉県から日帰りで訪れた人もいる。「インターネットのことはよく分からないからびっくりしたの」と妻の綾子さん。昭和の古き良き空気が漂う店内と夫妻の穏やかな人柄も人気の秘密。
宮津市万年895-9
TEL0772-22-3551
〈営〉10:00~14:00
〈休〉木曜日
〈P〉あり
番外編
フード&リカーヤノ |
丹後の食材満載のアイデア総菜
フライdeタンゴ 1個150円
宮津市にある水産練製品の老舗「汐徳」のイワシ平天の中に、自家製カレー焼きそばを包んで、カラッと揚げたユニークな逸品。麺にもカレーにも丹後産の米粉を使っている。毎日、社長の奥様が手作り。電話で注文もできる。
宮津市須津413-48
TEL0772-46-2229
〈営〉7:00~20:00
〈休〉無し 〈P〉あり