地元の新茶を楽しむ

地元の新茶を楽しむ


 夏も近づく八十八夜―。童謡に歌われるように、5月は茶摘みの季節。タウンタウンエリアのお茶畑も収穫で大忙しの時期を迎えている。

 福知山、舞鶴、綾部の中丹3市は知る人ぞ知るお茶の名産地。毎年行われている全国茶品評会では、静岡や鹿児島などの有名どころを抑え、産地賞や特別賞などを数多く受けてきた。冬の厳しい寒さは栽培に適しているとはいえないが、由良川沿いの肥沃な土壌と、農家のたゆまぬ努力で、色、香り、味のすべてで高い評価を得ている。
 太陽の光を遮って育てる、かぶせ茶や玉露、てん茶を多く出荷。まろやかで、甘みのあるお茶になる。
 中丹地域の新茶が出回るのは6月ごろ。萌える青葉を思い起こすような香りが特徴という。口にすれば、福を呼び、長寿になるといわれる〝初物〟。この時期にぜひ味って。


福知山市の山城屋茶舗では、6月頃から福知山産の新茶が店頭に並び始める

 
◆おいしい淹れ方


 新茶をよりおいしく味わう淹れ方を、日本茶インストラクター・赤井貴恵さん(福知山市)に教えてもらった。

 

 赤井貴恵さん:日本茶インストラクター。公民館などで積極的に講習会を開き、お茶の文化を伝えている。


 お茶を淹れるときのポイントは、茶葉の量、お湯の量、お湯の温度の3点。煎茶の場合、茶の量は1人3g(ティースプーン山盛り1杯)、湯量は小ぶりの湯のみ8分目(60ml)にする。

 温度は、新茶の場合は70℃~80℃がよい。通常の煎茶は60℃くらい。「熱いお湯で淹れると香りが立ち、低いとうま味が増します。新茶は香りを引き立てるため、高めにします」と赤井さん。

 温度を調節するのは意外と簡単。お湯は器を移すたびに約10℃ずつ下がる。ポット(90℃)から湯のみに移すと新茶に適温の80℃に。お湯の量も計れるので一石二鳥。急須は、別の湯を入れて温めておき、空にしてから茶葉を入れる。

 浸出時間は新茶は1分~1分30秒。通常はさらに30秒ほど長めにおく。この間に、茶葉がゆっくり開いているのを想像しながら、茶托やお菓子の準備を。

 湯のみに注ぐのにもコツがある。それぞれの湯のみの量と濃さが均一になるように、回し注ぎ(写真)をする。そして最後の一滴まで絞りきる。こうすると、2煎目以降もおいしく飲める。

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 実際に淹れていただいたお茶を飲んでみた。芳醇な香りと初めて感じるうまみ。ペットボトルとは違う、お茶本来の味を知った気がした。

 

お湯が直接かからないように、茶葉は端に寄せておく


【回し注ぎ】 A→B→B→A→A→B・・・という順番に注いでいく

 

煎茶(右)と玉露用の茶器。玉露はコーヒーでいうエスプレッソ


memo
●粉の多い「深蒸し煎茶」の場合は、茶葉は1人2g、浸出時間30秒でよい。
●玉露の場合は、お湯の量はごく小ぶりの湯飲み8分目(20ミリリットル)、湯温は40~50℃で2分30秒ほどおく。

 

◆冷茶も手軽に

①日本茶(玉露、煎茶、番茶)10g(カレースプーン2杯)をお茶パック1枚に入れる。
   これを2~3包作る。
②お茶パックを一回にぎって、葉を紛状にする。
③1~1.5リットル入りのボトルにパックを入れ、水を注ぐ。
④冷蔵庫で4時間以上冷やせば出来上がり。

◆お茶のお供に 和のお菓子

 美味しいお茶を淹れたら、欲しくなるのは、やっぱり「お茶のお供」。
 各地の老舗和菓子店が丹精込めて作る逸品を紹介します。お茶とお菓子でゆったりしたひとときを。

【福知山市】
名門堂千原の
里柿(さとがき)


 干し柿に似せた形に、どこか懐かしさを感じる素朴なお菓子。14代続く老舗の代表銘菓として、長く愛されている。歯切れのよい求肥、砂糖のシャリシャリとした食感も面白い。中のあんにはペースト状にした柿を練りこんでいる。1個75円(税込)。

福知山市駅前町36
TEL0773-22-2765 
(営)10:00~18:00  
(休)日曜日

 

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【綾部市】
金龍餅の
金龍餅(きんりゅうもち)


 やわらかなお餅の中にやさしい甘さのあん、上にきな粉が降りかかる。明治42年に宗教法人大本開祖の娘が考案、変わらぬ味を守り継ぎ、いまは4代目の近松晃子さんが手作りしている。通常は白餅だが、春はよもぎ、冬はきび餅になる。1個100円(税込)。 

綾部市本宮町11大本本部入口 
TEL0773-42-1773 
(営)11:00~18:00  
(休)火曜日

 

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【丹波市】
御菓子司 荒木本舗の
ゆめたんば


 「あまごの郷」「天目山」「栗高源」や上生菓子で知られるこの店では、比較的新しい丹波銘菓。黒大豆と栗の2種類があり、黒大豆の中には粒あん、栗にはゆずあんが入る。2008年の全国菓子博覧会栄誉大賞受賞。夏は冷やすと一層おいしい。各180円(税込)。

丹波市青垣町小倉891-6
TEL0795-87-0108
(営)8:00~18:30
(休)月曜日

 

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【舞鶴市】
勇貫堂
雫(しづく)


 安政4年創業の老舗菓匠の代表銘菓。北海道産小豆の風味を生かした鹿の子羊羹を、やわらかな羽二重餅で包んでいる。添加物は使わず、昔ながらの製法で1つ1つ手作り。7代目店主のもと、ほどよく調和された上品な味を守り続けている。1個170円(税込)。 

舞鶴市字浜348番地(大門通り一条角)
TEL0773-62-0021
(営)9:00~19:00 
(休)火曜日(祝日は営業)

 

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【宮津市】
白藤屋菓子舗の
季節の生菓子


さつき(左)と唐衣。各180円(税込)

 京都市内で京菓子作りの修業を積んだ初代が明治35年に創業した。二十四節気に沿った季節の上生菓子を常時4、5種類販売。できる限り地元の食材を使った、上品な甘さの生菓子は、手土産やお茶席用の主菓子としてよく利用される。

宮津市鶴賀2074
TEL0772-22-2062  
(営)9:00~17:00 
(休)日曜・祝日(不定休あり)