紅葉の但馬安國寺を訪ねる

 

紅葉の但馬安國寺を訪ねる
豊岡市但東町

 秋が深まり、丹波・丹後・但馬から紅葉の便りが届く季節がやってきた。紅葉名所のなかでも、但馬安國寺はひときわ艶やかで美しい。
その魅力にひかれて、近年はシーズンともなると2万人以上の観光客が訪れる。



※間口2間(3.6メートル)の窓枠の中を緋毛氈を広げたような
真っ赤な紅葉が埋め尽くす(写真撮影:安國寺住職・真田義永師)



 春のチューリップまつりや良質の天然温泉で知られる豊岡市但東町。安國寺は、シルク温泉の近く同町相田にある臨済宗大徳寺派の寺。足利尊氏が国家安泰を祈願して一国に一寺建立した安国寺の一つで、但馬国に設けられたのが同寺である。  
寺伝によれば、但馬安國寺には足利幕府より朱印と三百石余りの禄が与えられ、当時は七堂伽藍を有した堂々たる構えであったという。ところが享保2(1717)年をはじめとして、度重なる火災のためほとんどの寺宝は焼失してしまった。  
 現在の本堂は明治37(1904)年に建てられたもので、裏庭のドウダンツツジ(別名、満天星)は、その後に植えられたという。最初1本だけだったものが、自然に株を増やして、今では築山の斜面を覆うように四方10メートル近く枝を広げ、春は白い花と新緑が、秋には紅葉が楽しめる。  
 今年は11月8日(土)から24日(月・祝)まで公開。盛りは11月中旬ごろで、築山は緋毛氈を広げたような真っ赤な紅葉で埋め尽くされる。庭からの眺めもさることながら、本堂座敷の障子越しに見ると、まるで額縁に入った絵画のようで素晴らしい。
 同寺では、このドウダンツツジと、そのたもとにある心字池に生息するモリアオガエル、現在地より南方300㍍の所にある旧寺跡に1000本以上群生する沙羅(ナツツバキ)を三自然仏、そして本尊の釈迦如来、室町時代の聖観世音菩薩、但東シルク温泉掘削におかげがあった薬師如来(相田温泉薬師如来)を三仏としてまつる。  
聖観世音菩薩は、体内銘に「永生十三年(1516年)十一月二十八日」の文字があり、同寺最古の仏像であることが分かった。普段は、本堂前の経蔵の本尊仏として非公開だが、紅葉の期間のみ特別公開している。


本堂前の薬師堂(左)と聖観世音菩薩をまつる経蔵。
経蔵は紅葉の時期だけ特別公開される


安國寺全景。室町幕府初代将軍の足利尊氏が、天下泰平を祈願して全国68か所に設けた

所/豊岡市但東町相田327
TEL0796-54-0435
期間/11月8日(土)~24日(月・祝)
時/8:00~19:00
料/拝観料300円(中学生以下無料)

※クリックすると画像が拡大されます

 

紅葉スポット案内


福知山市・長安寺
『11月16日にもみじ祭り』

 「丹波のもみじ寺」として知られる臨済宗南禅寺派の名刹。
見ごろに合わせて11月16日(日)午前10時~正午に開かれる「もみじ祭り」では、
尺八、琴による演奏が行われ、美しい紅葉のもと煎茶席(300円、午後3時まで)が設けられる。
所/福知山市奥野部577
時/9:00~17:00
料/拝観料 大人・高校生300円、小・中学生100円
TEL0773-22-8768



■綾部市・あやべもみじ祭り
『市街地で色づく紅葉名所』 
 
 綾部市本宮町の大本本部は、市街地にありながら美しい紅葉の名所として、市民に親しまれている。
木々が色づく11月21日(金)~23日(日)に「あやべもみじ祭り」を実施。夜間ライトアップ(日没~午後8時)、音楽祭、野点、特産品の販売などが行われる。
所/綾部市本宮町 大本本部
TEL0773-42-0701(綾部商工会議所)



■舞鶴市・金剛院
『三島由紀夫の「金閣寺」にも登場』
 
 平安時代初頭に高丘親王によって開かれ、白河天皇が中興したと伝えられる古刹。
三重塔、本堂、霊山閣などが紅葉に包まれる姿はみごとで、三島由紀夫の「金閣寺」にもその様子が描かれている。
11月17日(月)~23日(日)にライトアップを実施(午後6時~8時)。
所/舞鶴市鹿原595
時/9:00~16:00
料/拝観料200円
TEL0773-62-1180


■与謝野町・大内峠一字観公園
『天橋立の眺望と紅葉を満喫』
 
 天橋立を代表する展望、四大観の一つ。天橋立が横一文字に連なることから「一字観」と呼ばれている。
一帯は、パノラマコテージやテントサイトなどを完備した自然体験施設として整備。
紅葉の名所としてたくさんの人が訪れる。
昨年は11月20日ごろが盛り。
所/与謝野町弓木坂尻3211
TEL0772-46-0052



■丹波市・白毫寺
『奇観を彩る紅葉が楽しめる』
 
 五大山のふもとにある閑静な古寺。境内に、江戸中期の枯山水の庭園「陰陽の庭」、太鼓橋が架かる「心字池」など、奇観を彩る紅葉が楽しめる。1
1月上旬から土・日曜日を中心に売店が出る。ライトアップ(午後9時まで)も行う。
所/丹波市市島町白毫寺709
時/8:00~18:00
料/入山料300円(高校生以下無料)
TEL0795-85-0259


■丹波市・円通寺
 
『美しい紅葉が長く鑑賞できる』
 
 永徳2年(1382)将軍足利義満が後円融天皇の勅命により創建した名刹。
広い境内は、上段から中段、下段と高低差があるため、美しい紅葉が長く鑑賞できる。
11月16日(日)午前8時30分?午後4時30分には「円通寺もみじまつり」が開かれる。
所/丹波市氷上町御油983
時/9:00~16:30
料/入山料(11月1日~30日)高校生以上300円
TEL0795-82-8210(ひかみ観光案内所)



■丹波市・高源寺
 
『水上勉氏が魅せられた紅葉』
 
 約200本の天目楓の紅葉が鮮やか。その光景に魅せられた作家の故水上勉氏は「誰もが訪ねる大徳寺の石畳や、大原三千院の参道など美しいけれど、高源寺に比べると、やはり都の寺だ。足もとにもおよばぬ」と評している。山開きは11月3日(月・祝)。
所/丹波市青垣町桧倉514
時/8:30~16:30
料/入山料(紅葉期間中) 大人300円、中学生以下100円
TEL0795-87-2222(あおがき観光案内所)


■丹波市・石龕寺
『足利氏ゆかりの古刹』
 
 足利氏とのゆかりが深く、「太平記」には足利尊氏とその子義詮がこの地に身を寄せたことが記されている。
特に本堂からの眺めは絶景で「ひょうご風景百選」に選ばれている。
11月16日(日)には「足利氏ゆかりの石龕寺もみじ祭」が開かれる。
所/丹波市山南町岩屋2
時/9:00~17:00
料/入山料(紅葉期間中) 大人300円、中学・高校生200円
TEL0795-77-2345(さんなん観光案内所)


■南丹市・大野ダムもみじ祭り
 
『ダムとモミジが作り出す紅葉』

 大野ダムやダム湖一帯に地元住民が植えた約500本のモミジと周辺の山々のモミジが色づく。
見ごろに合わせて地元大野振興会が「もみじ祭り」を開催。
太鼓やフォークソングの演奏、「ふるさと鍋」のふるまい、じゃんけん大会など、にぎやかに繰り広げられる。
所/南丹市美山町樫原 大野ダム公園
時/11月15日(土)~16日(日)   9:00~16:00(16日は15:00まで)
料/環境協力金500円(200円の買い物券付き)
TEL0771-75-9110(美山町大野振興会)