紙すき職人 浦部 喜代子さん

 

紙すき職人
浦部 喜代子さん

 

日本の文化、手すき和紙を生活の中に

 平安時代からの伝統を持つ「杉原紙」のカレンダーが静かな人気を呼んでいる。作るのは兵庫県多可町加美区にある杉原紙研究所のスタッフ、浦部喜代子さん。「毎年テーマを決め、具体的な内容を切り絵で表しています」と話す。
 京都精華大学デザイン学部時代、実習で訪れた京唐紙の店で初めて見た手すき和紙に魅せられた。「紙が生きている。命がある」と思った。その感動が忘れられず、美濃和紙(岐阜県)の工房に就職、文化財の修復に使う薄美濃紙をすくなど、伝統の技術を学んだ。
 カレンダー作りはこの頃から、「和紙を生活の中に取り入れてもらいたい」と始めた。以来、3年前に故郷、兵庫に戻っても続け、22作目となる。
 杉原紙は白くて風雅な美しさが特徴。研究所では、この紙を使った商品「和紙もん」の開発もしている。
 「折り染めで染め、こんにゃく糊を塗り、丈夫な和紙に仕上げます。使うほどに柔らかくなる、その肌触りを味わって」と話す。これまでタブレットケースやペンケースなどを考案した。
 「日本の文化を支えてきた和紙の伝統が続き、いつまでも手に取れる時代であって欲しい」と話す。


 杉原紙を使った「和紙もん」の数々。「養生訓」がテーマの2016カレンダー(右)は同研究所や、福知山市のまぃまぃ堂などで買える。


  

 

情報は、いずれも2015年12月19日号発行のものです。